今週のメッセージ(2016/11/20)
キリスト教はユダヤ教から派生?
「アブラハムの子ダビデの子、イエス・キリストの系図。」 (新約聖書・マタイ福音書1:1) “キリスト教はユダヤ教から派生した”との見解を時々耳にすることがあります。しかしこれは誤解です。 冒頭の聖句は、新約聖書の最初の書『マタイによる福音書』の書き出しです。新共同訳ではその前に「イエス・キリストの系図」という小見出しがついています。イエス・キリストの他に二人の人物――アブラハムとダビデ――が出ています。 アブラハムは、旧約聖書の最初の書『創世記』11章の終わりごろ(11:26)から登場する人物ですが、彼は、「地上の氏族はすべて/あなたによって祝福に入る」(同12:3b)ための祝福の基として神から召し出された紀元前2000年頃の人物です。彼からイスラエル民族は誕生し、その子孫としてイエス・キリストが誕生したのです。 もう一人のダビデという人物は、イスラエル12部族の中のユダ族に生まれました。紀元前1000年頃の人物です。そしてダビデの子孫として救い主が誕生すると預言的示唆が与えられました(『サムエル記下』7:12−14a)。 ところで、冒頭の聖句は、このような旧約時代に神が約束されたことが、その通り実現成就した出来事として、新約聖書の最初に提示しているわけです。 聖書の中心的メッセージは救い主イエス・キリストです。そして聖書は66巻全巻を通してこのキリストを証ししているのです。旧約聖書を経典とするユダヤ教からキリスト教が派生したと考えるのは誤解です。
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