今週のメッセージ201/07/09)

祈り

 

「イエスはある所で祈っておられた。祈りが終わると、弟子の一人がイエスに、『主よ、ヨハネが弟子たちに教えたように、わたしたちにも祈りを教えてください』と言った。そこで、イエスは言われた。『祈るときには、こう言いなさい。』」(新約聖書・ルカ11:1,2a)


冒頭の聖句は、主イエスが後に『主の祈り』と名付けられる祈りを教えられた際の主イエスと弟子との遣り取りです。その祈りは、『父よ』という呼びかけで始まっています。即ち、祈りは、父なる神への人間の側からの語りかけです。そしてその終わりを、『主イエス・キリストの御名によって祈ります』と締めくくるのがキリスト教の祈りの唯一の決まりです。それ以外は人に語りかけるように『父なる神』に語りかければよいのです。

この祈りにおいて気をつけなければならないことは、お願い事で終始してしまわないことです。昔から“困った時の神頼み”という言葉があるように、とかく人間の側からの一方的なお願いで終始しがちですが、真の祈りは神との対話です。一方的な願い事では対話は成り立ちません。神と人との対話の基本は、聖書を通して神に聴くという要素を保持して祈ることです。従って、熱心に聖書を読むだけでは対話は成り立ちません。聞いたことに対して応答することが必要です。他方、熱心に祈るだけでも対話とはなりません。聖書を通して語りかける神に聞かねば対話とはなりません。聖書に聴くことと祈ることとをバランス良く保持していることが望ましい祈りです。わたしたちの教会で毎月出している『祈祷のしおり』の冒頭には、「祈りはお願い事がすべてではありません。讃美、感謝、信仰告白、罪の懺悔、執り成しも祈りの大事な要素です」と記されています。