今週のメッセージ201/10/29)

讚美歌(前)

 

 わたしの魂よ、主をたたえよ。わたしの内にあるものはこぞって/聖なる御名をたたえよ。わたしの魂よ、主をたたえよ。主の御計らいを何ひとつ忘れてはならない。主はお前の罪をことごとく赦し/病をすべて癒し/命を墓から贖い出してくださる。」(旧約聖書・詩編10314a

 わたしは中学を卒業するまで、「きよしこの夜」が讚美歌だということを知リませんでした。勿論、「きよしこの夜」の歌そのものは知っていましたが、それが讚美歌というジャンルに属する歌だということを知らなかったのです。町にキリスト教会などなかった田舎に育ったものですから。

 しかし、高校を卒業し、上京。その年の秋には洗礼を受けてクリスチャンになったのですから、われながら驚きます。若い時は変化が早いです。

 それはともかくとして、いきなり聖書のことばで恐縮ですが、冒頭のことばは、旧約聖書の中の詩編と呼ばれる書の第103篇の最初にあるものです。この詩編は、聖書の中で最も長い書です。150の詩が集められています。いわば最古の讚美歌集ともいえます。

大阪にある日本キリスト教団・天満教会の春名康範牧師が、ご自身の著書の中に次のようなエピソードを記しています。

 昔、詩の朗読会がありました。俳優の方が韻を踏んで、上手に詩編23編(上述の詩編の150の中の第23番目の詩)を朗読して、拍手喝采を受けました。すると、今度はひとりの素人が同じ詩編23篇を朗読し始めたので、人々はその下手さを笑ったそうです。しかし、やがて静かな感動が流れ出し、終わった時には先に勝る拍手喝采が起こりました。俳優は、「あなたは詩編23編に生きている」と称賛したそうです。

 春名牧師は、讚美歌に上手下手はないんですよ、と締め括られています。