今週のメッセージ201/12/17)

マリア、シングルマザーに

 

「マリアは言った。『わたしは主のはしためです。お言葉どおり、この身に成りますように。』そこで、天使は去って行った。」(新約聖書・ルカ福音書1:38)

この時マリアはヨセフという男性と婚約していました。そのマリアに、ある時突然天使が現れ、「あなたは身ごもって男の子を産む」(同31節)と告げたのです。つまり、いきなりシングルマザーになることを告げられたわけです。

現代ならば、それもあまり問題視されないかも知れません。(決してそれを肯定するわけではありません。誤解なきように。)しかし、当時は大問題でした。姦淫の罪を犯したと見做され、石打ちの刑によって処刑されるのが律法の定めでした。仮に死を免れたとしても、婚約者のヨセフからは婚約を破棄され、世間からは“身持ちの悪い女”のレッテルを貼られて生きることになるのでした。

当然のことながら、「どうして、そのようなことがありえましょうか。わたしは男の人を知りませんのに」(34節)とマリアは反問します。それに対して御使いは、聖霊による神の業であり(35節)、故に生まれる子は神の御子であり、来るべき救い主であること(32,33節)、さらに加えて、不妊の女と言われ、かつ高齢となっていた親戚のエリサベトも男の子を身ごもっているという傍証(36節)、そして極めつけとして神の全能性(37節)が語られたのです。

それに対するマリアの応答が冒頭に挙げたものです。マリアの神に対する従順と献身の姿勢が示されています。それはまた、いつの時代にも、すべての人間に対して求められている神の御思いなのです。