今週のメッセージ201/12/31)

その独り子を世に賜った神の愛

 

「神は、その独り子をお与えになったほどに、世を愛された。独り子を信じる者が一人も滅びないで、永遠の命を得るためである。」(新約聖書・ヨハネ3:16)

 

冒頭の聖句は“聖書の中の聖書”といわれているものです。聖書が言わんとしている神からのメッセージを実に一句で言い表しています。即ち、イエス・キリストの降誕は、神のわたしたちに対する愛の現れであり、わたしたちを永遠の命の救いに与らせるためのものだというのです。そしてクリスマスは、それが具体化された日だというわけです。

話しは変わりますが、昨年の『朝日』の投稿欄に掲載された記事が想い出されます。投稿者のお宅に、『セピ』という名の雄の中型犬がいました。当時国民学校(今の小学校に該当)の4年生だった投稿者によく懐き、毎朝校門まで投稿者を送り、空襲警報が鳴ると防空壕に一緒に飛び込み、ガタガタ震えていました。そうこうしているうちに空襲が激しさを増し、飼い犬は薬殺するか、医学研究用に大学へ送るかの選択を迫られ、家中で泣きながら大学に送りました。しかし、三日後の夜、けたたましい鳴き声とともにセピが逃げ帰って来たのです。「よく逃げてきたなあ」と喜び迎えました。しかし、それも束の間、1週間後、係員が毒殺用の肉を持ってやって来たのです。仕方なく受け取った兄は、それをセピに与えました。セピはじっと眺めていました。著者は「セピ、さよなら」と言って家の中に入りました。記事はそこで終わっています。読んでいて切なくなります。

あらためて御子を世に送られた父なる神の御想いはいかばかりであったか、と想わされます。