今週のメッセージ201/01/28)

四つの福音書

初めて聖書の通読に取り組まれた方が、新約聖書の福音書を読まれると、なんで同じような書が三つもあるのだろうと思われることでしょう。わたし自身もそうでしたから。

四番目の『ヨハネ福音書』は他の三つとは違うことはわかりますが、その前に置かれているマタイ、マルコ、ルカの三つは、内容的に大体おなじではないかと。

しかし、何回も通読を重ねたり、学んだりしてくると、現在では、四つの福音書はそれぞれ掛け替えのない書であり、置かれている順序も現在の通りでよいと思うようになりました。

最初に書かれたのは『マルコ福音書』だといわれています。使徒言行録1:21,22に照らしても同書が福音書の原型だといえるでしょう。「主イエスがわたしたちと共に生活されていた間、つまり、ヨハネの洗礼のときから始まって、わたしたちを離れて天に上げられた日まで」(使徒言行録1:2122)の枠にピッタリですから。

大雑把にいうならば、マタイ福音書はマルコのそれにイエス・キリストの系図や誕生記事が付加されました。ルカは、洗礼者ヨハネの誕生記事や、さらに続巻として使徒言行録が加えられて、イエス・キリストの福音がどのように伝えられ、それによりどのようにクリスチャンが誕生し、キリスト教会が生まれていったかが記されています。四番目のヨハネ福音書は、先の三つとは非常に趣きを異にし、母マリアの胎を通して誕生される以前、即ち、永遠の初めから存在されたキリストを「言(ことば)」一字を以って紹介します。また、福音書に収められている順序もマタイ、マルコ、ルカ、ヨハネのこの順序でなければなりません。