今週のメッセージ201/0/25)

人間をとる漁

「イエスは、『わたしについて来なさい。人間をとる漁師にしよう』と言われた。二人はすぐに網を捨てて従った。」(新約聖書・マルコによる福音書1:17、18)

前回は、救い主としての活動を開始された主イエス・キリストのメッセージ――「時は満ち、神の国は近づいた。悔い改めて福音を信じなさい」――について記しました。今回は、イエスが弟子を召し出された時のことについて述べます。

冒頭の聖句は、その折、主イエスが彼らにかけられた言葉です。「彼ら」とは、パレスティナ北部のガリラヤ湖で漁師をしていたペトロとその兄弟アンデレの二人です。

イエスが、「わたしについて来なさい。人間をとる漁師にしよう」と声をかけると、「二人はすぐに網を捨てて従った」というのです。あまりに即座の行動に驚いてしまいます。

しかし、聖書には並行している記事が他にもあり、『ルカによる福音書』(5:1〜11)を見ると、彼らは前夜、一晩中漁をしたのですが、一匹の獲物も獲れなかったというのです。疲れ切って陸に上がり、網の手入れをしていると、イエスが来られて、「沖に漕ぎ出して網を降ろし、漁をしなさい」(同4節)と言われたのです。シモン・ペトロは、「先生、わたしたちは、夜通し苦労しましたが、何もとれませんでした。しかし、お言葉ですから、網を降ろしてみましょう」(同5節)と応え、やってみたところ、おびただしい魚がかかったのです(6節)。思いがけない奇跡に彼らは根っからのガリラヤ湖の漁師としての自信をくじかれ、同時にイエスの中に神の全知性・全能性を感じて直ぐにイエスの招きに応じたのです。