今週のメッセージ201/0/04)

罪を赦す権威

「イエスは彼らの信仰を見て、中風の者に、『子よ、あなたの罪はゆるされた』と言われた。」(新約聖書・マルコによる福音書2:5)

新約聖書の最初には四つの福音書が置かれ、イエス・キリストの誕生から十字架の死、三日目の復活、そして昇天までを伝えています。それらの記事の中には、イエスが行われた病の癒し等の奇跡が沢山記されています。

しかし、マルコ福音書の1章の終わりには、重い皮膚病を患っていた病人を癒された後、その人に向かって、「だれにも、何も話さないように気をつけなさい」(44節)と他言を禁じておられます。

冒頭の聖句は、次の2章で、担架で運ばれてきた重い皮膚病の患者に向かって「あなたの罪はゆるされた」と、癒しではなく、「罪のゆるし」をイエスが宣言し、その後に証として重い皮膚病を癒やされているのです。

先の他言禁止といい、その後の罪のゆるしの宣言といい、イエスが何を目的として働きをなさったか、そのことを示唆している言葉であり、業であるということが出来ます。

イエスは、実に「罪をゆるす権威」を持つお方なのです。冒頭の聖句が含まれているマルコ2:1〜12においては、罪のゆるしの宣言の後に、その証として中風の者を癒やしておられます。また、その故に重い皮膚病をいやした者に向かって他言を禁じられたのです。イエスの働きの中心が罪のゆるしではなく、病の癒やしであるかの如く誤って宣伝されることを避けんがためのことだったのです。

また、「罪のゆるし」の宣言もただ言葉だけのものではなく、身代わりとなってその罪を背負い、十字架での贖罪死を遂げることを前提とした上での宣言なのです。