今週のメッセージ201/0/06)

故長谷川保氏のこと

「いったいあなたの持っているもので、いただかなかったものがあるでしょうか。もしいただいたのなら、なぜいただかなかったような顔をして高ぶるのですか。」(新約聖書・Tコリントの信徒への手紙4:7b)

 

一週間前の4月29日は、聖隷福祉事業団の創設者である小長谷川保氏の命日でした。私事になりますが、毎月第四水曜日、聖隷ホスピス(三方原)の朝の礼拝の御言葉のご奉仕を担わせていただいています。そんな関係もあって時折、故長谷川氏のことを想い起こします。

そんな中で屡々想い起すことがあります。それは故人の四男にあたる長谷川了氏によると、保氏が色紙に好んで書いた言葉に“尺布無私”があったそうです。その意味するところは、一尺の布も自分のものではない。即ち、越中ふんどし一枚も神さまからお借りしたもので自分のものではないということだそうです。裸で生まれたのだから裸で帰るのは当たり前ということで、おしゃれであったけれども根底にはこの世のものにとらわれない、財産を持たず、主の栄光のために生きることを、御奥様の八重子氏共々貫かれたということです。

また五男の新氏によると、保氏の死後、遺産の申告のことで税理士の相談された時、「それだけしかないの?」と笑われたそうです。保氏名義の預金をすべて合わせても3百万円足らずだったそうです。八十、九十になっても年収にしたら八百万あったはずとのことですが、寄付の依頼が来るとそれにみんな出しておられたとのことです。

一切は神さまからの預かりもの。従って求められれば、ためらうことなく献げて生き通されたということでしょう。ハレルヤ!