今週のメッセージ201/0/23)

聞く耳のある者は聞きなさい

 

表題をご覧になって、何か突き放したようなものの言い方、と思われる向きもあるかも知れません。筆者の言葉ではありません。イエス・キリストの言葉です。

主イエスはよく譬(たとえ)を用いて語られました。新約聖書の最初に置かれた福音書にその譬が多く記されています。その中に『種をまく人』の譬があるのですが、これには語り手であるイエス・キリストが、その譬に加え、譬を用いて話す理由、さらにその譬の説明までされています。この記事は、四つある福音書の最初の三つのいずれにも出ているのですが、3番目のルカ福音書には、主イエスがその譬を話された後、「『聞く耳のある者は聞きなさい』と大声で言われた」とあります。

譬には四つのタイプの聞き手が出ています。

ここでは神の言葉が「種」に例えられ、言葉の語り手は「種を蒔く人」、そして四つの聞き手のタイプが、蒔かれた種が落ちた場所、即ち、道端、石地、茨の中、そして、良い土地の四つに例えられています。

道端に落ちた種は鳥に啄ばまれてしまいます。石地に落ちた種は、芽は出したものの根がないので日に照らされて直ぐに枯れてしまう。茨の中に落ちた種は、茨に妨げられ、結実に至らず。しかし、良い地に落ちた種は豊かに結実、三十倍、六十倍、百倍にもなったというのです。

道端は、無関心あるいは拒絶型、石地は、受け入れはするものの、よくにれ食まないため艱難や迫害が起こると躓いてしまう、茨の中は、世の煩いや富の誘惑に負けて実らない、といった具合に聞き方の問題点が指摘されています。その上で、聞く耳を持ってよく聞く聞き方が推奨されるわけです。豊かな結実を見る聞き手になることを心がけたいものです。