今週のメッセージ201/0/14)

いったいこの方はどういう方なのだろう!

 

「彼らは大きな恐怖に包まれて、互いに言った。『風や湖までが言うことをきくとは、いったいこの方はどういう方なのだろう。』」(新約聖書・マルコによる福音書4:41、新改訳)

聖書は大きく旧約聖書と新約聖書に分かれます。旧約聖書は39の書から、新約聖書は27の書から成っています。併せて一冊の聖書は実は66の書から成っているわけです。

冒頭の聖句は、新約聖書の2番目の書『マルコによる福音書』の中の1節です。このことばの背景には、ある日の夕方、主イエスは弟子たちと一緒に舟に乗ってガリラヤ湖を渡られたのですが、疲れのため艫の方で眠っておられたのです。ところが途中で激しい突風に見舞われ、波をかぶった舟は水浸しになってしまったのです。恐怖に襲われた弟子たちは、眠っていた主イエスを起こして助けを求めたのです。すると主イエスは起き上がって風を叱り、湖に「静まれ!」と命じられたのです。その途端、風は止み、湖はすっかり凪のなったのです。その時、驚いた弟子たちが思わず口にしたのが冒頭のことばです。

同福音書のこの記事の前の方には、汚れた霊に取り付かれた男のいやし、多くの病人たちのいやし等の記事が記されています。さらに後の方には、目や耳に障害を持った者のいやしや、死人を生き返らせた出来事等も記されています。ともするとそうした奇跡的な出来事そのものに目が向かいがちですが、聖書が紹介している主イエスの本質的なことは、主イエスが神の御子、そしてわたしたちの救い主だということです。キリスト教会が共有している使徒信条と呼ばれる信仰告白には、主イエスの救いが、“罪の赦し、からだの甦り、永遠(とこしえ)のいのち”と告白されています。