今週のメッセージ201/02/24)

外見ではなく、内実を!

 

「わたしが見るところは人とは異なる。人は外の顔かたちを見、主は心を見る。」(旧約聖書・サムエル記上16:7)

新約聖書の二番目に置かれている『マルコによる福音書』の中に記されている出来事です。

ある時、ファリサイ派と呼ばれるグループに所属する人達と数人の律法学者達が、主イエスの弟子たちの中に手を洗わないで食事をする者達がいることを見つけて咎めました。「なぜ、あなたの弟子たちは昔の人の言い伝えに従って歩まず、汚れた手で食事をするのですか。」(7:5)

一見、衛生的観点からの非難のように聞こえますがそうではありません。宗教的・律法的観点からのものでした。しかも非難の根拠となっていたのは神の掟ではなく、「昔の人の言い伝え」でした。彼らは神の掟そのものではなく、それを重んじる故に、その周囲に人間が付け加えた「言い伝え」だったのです。この点については、旧約聖書の律法の書の一つ『申命記』の中で、「あなたたちはわたしが命じる言葉に何一つ加えることも、減らすこともしてはならない」(4:2)とあります。

更にもう一つの問題は、目の付け所です。即ち、内面の「心」ではなく、外面、さらには形式に目が向いてしまっていたのです。

わたしたちも、ともすると内実ではなく、外面や形式の方に目が向き、重きを置いてしまう落とし穴に陥る危険があります。しかし、神は言われるのです。「わたしが見るところは人とは異なる。人は外の顔かたちを見、主は心を見る」と。さらにまた、「外から人の体に入るもので人を汚すことができるものは何もなく、人の中から出て来るものが、人を汚すのである」と。(新約聖書・マルコによる福音書7:15)