今週のメッセージ201/05/12)

イエスを知ることについて

 

「そこでイエスがお尋ねになった。『それでは、あなたがたはわたしを何者だと言うのか。』ペトロが答えた。『あなたは、メシアです。』するとイエスは、御自分のことをだれにも話さないようにと弟子たちを戒められた。」(新約聖書・マルコによる福音書8:29,30)

 

主イエスが弟子たちに、「あなたがたはわたしを何者だと言うのか」と問うたのに対して、筆頭弟子のペトロが、「あなたは、メシアです」と答えます。すると主イエスは、「御自分のことをだれにも話さないようにと弟子たちを戒められた」とあります。何故?との疑問が沸いてきます。ご自身とその福音を伝えるのが弟子たちの使命のはずなのに、というわけです。

理由はいくつか考えられます。人々の誤解に対する懸念、またペトロを初めとする弟子たちも、まだイエスに対する理解がはなはだ不十分だったのです。主イエスを語るには、その十字架の死ならびに三日目の復活を抜きには語れないのです。しかしこの時点では、イエスの十字架の死もまた復活もまだ先のことでした。

やがて十字架の段となり、イエスが逮捕・連行された時には、「弟子たちは皆、イエスを見捨てて逃げてしまった」(マルコ1450)とあります。また復活の時にも、「使徒たちは、この話がたわ言のように思われたので、婦人たちを信じなかった」(ルカ福音書2411)と記されています。このように、イエスを正しく知るためには、その十字架の死と三日目の復活の出来事がどのような意味をもっているのかを正しく知ることが絶対必要不可欠だったです。