今週のメッセージ201/07/07)

祈りによらなければ

 

「イエスが家の中に入られると、弟子たちはひそかに、『なぜ、わたしたちはあの霊を追い出せなかったのでしょうか』と尋ねた。イエスは、『この種のものは、祈りによらなければ決して追い出すことはできないのだ』と言われた。」(新約聖書・マルコによる福音書9:28,29)

27の書から構成されている新約聖書の第二番目の書が冒頭の聖句のある『マルコによる福音書』です。その9章の初めに、“主イエスの姿変わり”といわれる出来事が記されています(2〜8節)。ある時主は、12弟子の内の主要な三人、ペトロ、ヨハネ、ヤコブだけを連れて高い山へ登られました。すると、突然、主の姿が変わり、「服は真っ白に輝き、この世のどんなさらし職人の腕も及ばぬほど白くなった」(2,3節)と記されています。そしてモーセとエリヤが現れ、イエスと語り合っていたというのです。モーセは旧約の律法の代表者、エリヤは預言の代表者と言うことが出来ます。

そんな夢のような出来事を体験した弟子たちは山を下ってきたのです。そして9章の中ほどでは、汚れた霊に取りつかれた息子を持つ父親が、弟子たちにその霊の追い出しを頼んだけれども追い出すことが出来なかったという事実が語られ、弟子たちは、主に、なぜ追い出せなかったのでしょうかと尋ねています。すると主は、「この種のものは、祈りによらなければ決して追い出すことはできないのだ」(同29節)と答えられたのです。弟子たちは、汚れた霊を追い出す権能を授かっていました(マタイ10:1参照)。にもかかわらず、追い出せなかったのです。つまり、その権能を授かっていても、自動的に追い出せるわけではないのです。「祈りによらなければ決して追い出すことはできない」と主はいわれるのです。