今週のメッセージ201/08/18)

キリストの十字架の贖罪死

 

「イエスが旅に出ようとされると、ある人が走り寄って、ひざまずいて尋ねた。『善い先生、永遠の命を受け継ぐには、何をすればよいでしょうか。』」(新約聖書・マルコによる福音書10:17)

冒頭の聖句の中の「ある人」とは、新約聖書中の他の福音書の並行記事を読み合わせると、“富んだ若い役人”であることがわかります。

問いに対して主イエスは、「『殺すな、姦淫するな、盗むな、偽証するな、奪い取るな、父母を敬え』という掟をあなたは知っているはずだ」と言われます。これは“モーセの十戒”と呼ばれる掟の後半部分を指しています。

するとその富んだ若い役人は、「先生、そういうことはみな、子供の時から守ってきました」(同20節)と答えます。それに対して主は、「あなたに欠けているものが一つある。行って持っている物を売り払い、貧しい人々に施しなさい。そうすれば、天に富を積むことになる。それから、わたしに従いなさい」(同21節)と言われたのです。すると、「その人はこの言葉に気を落とし、悲しみながら立ち去った。たくさんの財産を持っていたからである」(22節)とこの話しは締めくくられています。

「行って持っている物を売り払い、貧しい人々に施しなさい」とは、ずいぶん厳しいことをイエスは言われるな、と思われるでしょう。

前述した“モーセの十戒”は、前半の四つが対神に関する掟、後半の六つが対人に関する掟です。この後半部分を子供の時から守ってきたと役人は答えているわけです。しかし主イエスから見るとそうではありませんでした。そのことを気づかせようと、主は厳しいことをいわれたのです。

この役人に限らず十戒を守り切れる人間は誰一人としていないのです。だからこそ、主は十字架の贖罪死を以って尻拭いをして下さったのです!