今週のメッセージ201/12/29)

貧しさと老い

この世では“富んでいる者”が評価され、“若い者”が歓迎されます。言いかえれば、残念ながら“貧しい者”は評価されず、“老いた者”は歓迎されない傾向があります。

しかし、新約聖書の『ルカ福音書』におけるキリスト降誕に纏わる記事を見ると、キリスト降誕のニュースを真っ先に知らされたのは、野原で野宿しながら羊の番をしていた羊飼いたちでした。

当時、ローマ皇帝により人口調査の勅令が出ていました。人々は登録の為、それぞれ自分の生まれ故郷へ旅立っていました。しかし羊飼いたちはその必要もない様子で、いつもの如く羊の飼育をしていたのです。彼らは人口の数に数えられない社会の底辺に生きていた貧しい人々だったのです。

また、律法が定める清めの期間(男児の場合は40日)が過ぎた時、同じく律法の定めに従い、両親は幼子を主にささげるべく、神殿に詣でたのです(222)。その折、それにいち早く気づき、幼子を抱いて神を讃えたのは、シメオンという老人(同2832節)と84才の老齢になっていた老女アンナでした(同3638節)。

そもそも誕生した幼子を神にささげたヨセフとマリアが、いけにえとしてささげたのは、実は貧しい人がささげるささげ物でした。旧約聖書のレビ記に以下のように記されています。

 「なお産婦が貧しくて小羊に手が届かない場合は、二羽の山鳩または二羽の家鳩を携えて行き、一羽を焼き尽くす献げ物とし、もう一羽を贖罪の献げ物とする。」(128

キリストご降誕の背後には、このような神の御旨が働いていることを覚えましょう!