今週のメッセージ2020/02/23)

キリスト教会暦における受難節

 

キリスト教会の暦では、今週の水曜日から『受難節』と呼ばれる期間に入ります。

受難節は四旬節とも呼ばれます。「旬」とは“十日一めぐり”を意味し、1ヶ月を三分したものです。すると上旬、中旬、下旬の意味もより鮮明になります。従って四旬節は四十日を意味するわけです。

実は「四十」という数字は、旧約聖書においても、新約聖書においても特別な期間を表す数字なのです。

例えば、旧約においては、モーセと呼ばれる人物が登場します。彼は、エジプトで囚われの身となっていたイスラエルの同胞がエジプトを脱出し、四十年という長い歳月を費やして神が約束されたカナンの地に入国したとき、その四十年の長旅をリードした人物がモーセでした。

新約においては、イエス・キリストが公生涯に入られる前、四十四十夜、断食されたことが思い出されます。

ところで、その四十日(受難節)はどこに位置する四十日なのでしょうか。それはイエス・キリストの復活を記念するイースターの前の四十日です。本年は4月12日がイースターです。しかし、今週水曜日(2/26)から受難節(四旬節)に入るとなると、イースターの前日(4/11)までは46日間となり、6日オーバーするではないかと思われる向きもあるでしょう。それはその通りなのです。しかし、その46日の中に6日の主日(日曜日)が含まれています。その6回の日曜日は、主イエス・キリストが甦られた「週の初めの日」(マタイ28:1他)を記念する日なのです。従って受難の日には数えられないのです。拠って受難節は、46マイナス6で四十日というわけなのです。