今週のメッセージ2020/10/4)

「最初の宮清め」ヨハネ2:13−25


 今日の御言葉には、神の愛を私たちにもたらしたイエス・キリストの厳しい一面が描かれています。過越祭はユダヤ3大祭の一つです。諸外国に散在していたユダヤ人たちは、長い旅をしてエルサレムに集まるため、いつも大混雑となっていました。
 祭の起源は、昔イスラエルの民がエジプトで奴隷として苦しんでいた時に、神がモーセを用いてエジプトから脱出させた出来事に由来します。エジプトから脱出する時に小羊の血を家の入口に塗ることでエジプトにくだる神の裁きからイスラエルの民が守られたことを記念するものでした。
 商売人たちは祭の一ヶ月前から神殿の庭に店を広げます。 神社でお祭がある時には、露店がたくさん並ぶのと似ているかもしれません。そこでは牛、羊、鳩など、人々が神殿で捧げる生贄が売られていました。それは遠路はるばるやってくるユダヤ人のために用意されたもので、業者たちは祭壇から可能な限り近い場所として異邦人の庭でこれを売ったのです。
 神殿で売られる動物には祭司が発行する「無傷である」という証明書が付いていました。この証明書を付けるだけで、祭司と商売人たちは莫大な利益を得ることができたのです。
 彼らの表向きの理由は「遠方からくる人々が神殿で礼拝するのを助けるため」でした。けれども現実は違いました。「人々が礼拝するのを助けるため」ではなかったのです。むしろ神様を愛し、主を礼拝する人々の信仰と真心を逆手にとって、人々 から金銭をむしり取ることが目的だったのです。

 その様子を見たイエス様は、なわでムチを作って動物たちを追い払いながら「わたしの父の家を商売の家としてはならない」と言われました。弟子たちはこの時の主を見て詩編69:10を「思い出した」と記されています。

 聖霊は私たちをすべての真理に導いてくださるお方です。
 けれども、本当にイエス様を信じる信仰とは、主の十字架と復活に基づいて聖霊によって与えられるものでなければなりません。その信仰は聖書が真実なものであること、イエス・キリストがまことに神の子、救い主であると信じる信仰なのです。