今週のメッセージ2021/1/17)

 

ヨハネ6:1−15「パンとサーカスを超えて」

  先週に引き続き、今朝もヨハネ6:1−15を読みました。 この時にキリストがなされた奇跡は、新約聖書に4つある福音書のすべてに記されているという意味で唯一の奇跡です。4人の著者はそれぞれの視点でこの出来事を記していますから、それぞれの着眼点、あるいはそれぞれの強調点というものがあります。

 ヨハネはガリラヤ湖のことをティベリアス湖であると説明しながら6章を書き始めている点に注目してください。その地名ティベリアスは、古代ローマ帝国第2代目の皇帝ティベリウスにちなんで付けられたものです。

 それは今からちょうど2000年前、つまり西暦20年頃のことでした。ガリラヤ湖をあえてティベリアス湖と呼ぶことでイスラエルの民が抱えていた2つの現実が示唆されています。つまりモーセの律法に代表される神の民、イスラエルの民としての信仰という現実と、そのイスラエルの国がローマ帝国の支配下にあるという政治的な現実です。この2つの現実に彼らは板挟みになり、その圧政に苦しんでいたのです。

 今、コロナのために世界中が苦しんでいます。医療現場は疲弊し、経済も苦闘しています。だからこそ今、主の憐れみを求め、御業を求めて祈りましょう。主は豊かなお方であり、恵みに満ちあふれているからです。