今週のメッセージ(2021/7/4)

「信じる者への約束」ヨハネ12:36b−50

 

 36節後半から43節には福音書の著者ヨハネによるコメントと解き明かしが記されています。彼は福音書の末尾でイエス・キリストが地上で行われた奇跡は数多く、とてもそのすべてを書き残すことはできないとヨハネは述べています(21:25)。主イエスが行われた奇跡だけが「しるし」なのではなく、主の御言葉と行動のすべてはイエスが神の御子であり、救い主であることを示す「しるし」であるからです。

 44節からは人々の前から身を隠された主イエスが叫びつつ語られた御言葉が再び記されています。新約聖書学者の塚本虎二はヨハネ12:44-50をイエス・キリストがなされた「伝道の総約」であると説明しています。確かに13章以降で語られる主の言葉は一般大衆ではなく、ご自分の弟子たちに向けられたものとなっています。

 十字架が目前に迫ってくる中で、主は人々に向かってご自身を信じるようにと招くと共に、その信仰が何を意味するのか、その信仰にはどのような約束が伴っているのかを明らかにしておられます。そして父なる神とご自身との深い結びつきを示し、父の命令は命であると語っておられるのです。