今週のメッセージ(2021/7/18)

「この上ない愛の姿 後編」ヨハネ13:21-38

 

 14章で「心を騒がせるな。神を信じなさい。そして、わたしをも信じなさい」と言われる主が、ここでは激しく心を騒がせておられます。この時ばかりでなく、ラザロの死を悲しみ泣いているマリアをご覧になられた時にも(11:33「興奮」原文は「騒ぐ」)、さらに12:27でも主は心を騒がせておられます。原文のタラッソーは胸をかきむしられ、張り裂けるような激しい思いを指しています。このように繰り返し心を騒がせておられた主は、なぜ弟子たちに「心を騒がせるな」とお語りになったのでしょうか。

 それは私たちの誰もが、心騒がせ、胸をひきさかれるような苦しみを避けて通ることのできない存在であるからです。その私たちの苦しみの根本的な原因である罪を十字架の死によって贖い、救うために来られたキリストは、罪に苦しむ私たちの言わば代表として、その罪と苦しみをお引き受けになられたからこそ、心騒がせられたのでした。

 その苦しみは、御自分を裏切るユダに対してもこの上のない愛を注ぎ抜いてくださったこの時、非常に顕著なものとして主の上に重くのしかかっていたのではないでしょうか。これほどの愛をもって愛し抜かれた主は、わたしが愛したように互いに愛し合うようにとお求めになられています。