今週のメッセージ(2021/10/24)

「死刑判決」 ヨハネ18:38b-19:16a

 

  主イエスに対する最初の尋問を終えたピラトは、総督官邸前に集まっていたユダヤ人(祭司長などの為政者ばかりでなく、多くの民衆もいた)たちの前に姿を現して「わたしはあの男に何の罪も見いだせない」と宣言しました。さらに祭に際して囚人を釈放する慣例に従ってイエスを放免してはどうかとも尋ねています。けれどもユダヤ人たちが強盗バラバの釈放を求めたことにより、ピラトの主イエスと、そしてユダヤ人たちとの関係は複雑にこじれてしまいます。ピラトは何度も官邸の内と外を出入りし、主イエスを釈放する道を探りましたが「この男を釈放するなら、あなたは皇帝の友ではない」と痛い所を突かれた結果、ついに死刑判決へと大きく舵を切ることになりました。

 ピラトは主イエスに「どこから来たのか」と問うています。これはヨハネ福音書において繰り返されたテーマでした。 当然のごとくユダヤ人たちはこのことを理解しませんでしたが(7:27、8:29)、主ご自身の証言(8:14)、生まれつき目の見えない人の証言(9:30-33)などから、その答えは明らかでした。それゆえに、主イエスを引き渡した者たちの罪は限りなく重いものとなり、彼らは救い主を拒むだけでなく、神様ご自身をも拒み、「わたしたちには皇帝の他に王はありません」とまで公言することになりました。その結果として、主イエスはいよいよ十字架につけられることとなったのです。