今週のメッセージ(2021/12/5)

「三度目の顕現」ヨハネ21:1-14

 主イエスの弟子たちの多くはティベリアス湖という別名を持つガリラヤ湖周辺で生まれ育った人々でした。彼らはエルサレムの都を離れ、慣れ親しんだ故郷へ戻っていたのです。

 新共同訳の小見出しには「イエス、七人の弟子に現れる」と記されていますが、名前が記されているのはペトロ、トマス、ナタナエルだけで他4人の名は記されていません。けれども「ゼベダイの子たち」というのはヤコブとヨハネであることがマタイ4:21 などから分かります。

 彼らは「漁に行く」というペトロの言葉を受け、自分たちも一緒に舟に乗り込んだのでした。けれども、その夜は何もとれなかったのです。かつて、彼らは似たような経験をしています(ルカ5:1-11 参照)。それはシモン・ペトロにとっては終生忘れがたい思い出となったであろう経験でした。それは主から「あなたは人間をとる漁師になる」と言われた、召命と献身の時でした。けれども、主イエスが十字架で死なれ、三日目によみがえられて姿を現されたとは言え、それは単発的なものでした。残された彼らは故郷へ帰るより他になかったのでしょう。弟子たちは夜明け前の岸辺で炭をおこす人物、食べ物があるかと声をかけ、網を右側に打てと言われたお方が誰なのか分かっていません。けれども、やがて「主だ」と気付いた時、彼らは復活の主と三度目の出会いを経験したのです。