今週のメッセージ(2021/12/12)

「愛し従い栄光へ」ヨハネ21:15-19

 

 復活のキリストが弟子たちに三度目にお姿を現されたのは、夜が明け、陽ざしの昇るガリラヤ湖のほとりでありました。弟子たちは主の御言葉に従って捕れた魚と、主ご自身が備えてくださっていたパンや魚に与りました。恵みに満ちた朝食の後、主はペトロに「わたしを愛しているか」と問われます。この時のペトロの返事は13:36-38 にあるような意気揚々としたものではありませんでした。「あなたのためなら命を捨てます」と豪語したのもつかの間、ペトロも他の弟子たちの誰もが主イエスが捕えられる現場から逃げ出したのです。特にペトロは三度にわたって自分が主イエスの弟子であることを否認しました。そのすべては主イエスがあらかじめ語っておられた通りに展開して行きました。ですから、ペトロは「わたしを愛しているか」との問いかけに、かつてのような調子で答えることでできなかったのです。

 主の問いは三度にわたるもので、それに伴って「わたしの小羊、羊を飼いなさい、世話をしなさい」という命令が告げられました。けれども主は、そのご命令に対するペトロの返事や応答を待つことなく、ペトロがどのような死に方で神の栄光を現すようになるのかを告げておられます。主イエスを否認する生涯の恥とも言える挫折の中にいたペトロに対して、主は全幅の信頼と期待を込めておられるかのように大切な命令をくだされたのです。