今週のメッセージ(2021/12/26)

「あなたはわたしに従いなさい」 ヨハネ21:20-25

 

 2020年9月の礼拝から読み続けてきたヨハネによる福音書も本日が最後の箇所となりました。待降節やイースター、ペンテコステを除き60回になります。

 「初めに言があった。言は神と共にあった。言は神であった」という有名な序文から始まるヨハネ福音書ですが、その末尾は思いの他あっさりと閉じられています。ガリラヤ湖のほとりで弟子たちと共に朝食を取られたキリストは、食事を済ませるとペトロに「わたしを愛しているか」と語り始めます。その場面は焚火を囲ってくつろぐ弟子たちとの語らいの中で行われたもののように読めます。ところが20節ではすでにキリストは歩み始めておられます。19節で「わたしに従いなさい」と語られたキリストはすでに立ち上がっておられ、新しい道へと進んでおられるのです。ご自身が成し遂げられた救いの御業を全世界に宣べ伝えるべく弟子たちを宣教へと派遣される主は従うことを求めておられるのです。

 その時ペトロは振り返り、イエスの愛しておられた一人の弟子に目を留め、「彼はどうなるのでしょうか」と尋ねました。すると主は「あなたは、わたしに従いなさい」という19 節のご命令を繰り返されたのでした。教会はキリストの体であり、信仰の共同体です。しかし、この共同体は私たち一人一人が主を信じ、主に従って歩むことで前進するものなのです。