今週のメッセージ(2022/3/13)

「キリストを証しする聖霊」使徒 5:12-3

 

 使徒言行録はかつて「使徒行伝」と呼ばれていました。使徒ペトロやパウロによる福音宣教による初代キリスト教会が発展する姿が描かれている内容にふさわしい名称です。けれども、その活動の真の主役は救い主であるイエス・キリストを証しする聖霊です。そこで使徒行伝はむしろ「聖霊行伝」と呼ぶ方がふさわしいと言われてきました。

 今日の箇所ではまさに「聖霊がイエス・キリストの十字架と復活による罪の赦しと救いの証人」であることを使徒たち自身が最高法院における大祭司からの尋問への返答という形で公式に宣言されています。

 神が使徒たちの手を通して多くのしるしと不思議な業を行い、人々が癒され、主を信じる人々がますます増えていました。けれども、それを妬んだ大祭司たちは使徒たち全員を捕え投獄します。ところが天使の助けにより彼らは夜のうちに解放され神殿へ行き、福音を語ります。民衆の称賛という支持を得ていた使徒たちに対し、議会は手荒なことはできないまでも、最高法院へ連行して尋問を行ったのです。

 国権の最高機関として、イエス・キリストの処刑は神への反逆行為であるとの責任を追及されることに大祭司は我慢できなかったのでしょう。けれども、その罪さえも赦そうと招いておられる神の愛と救い主としてのキリストの高挙を告げる福音のために使徒たちに証人としての力を与えてくださった聖霊ご自身こそが真の証人であり、福音宣教の原動力そのものなのです。