今週のメッセージ(2022/3/27)

「専念と選出」使徒 6:1-7

 

 初代教会の成長は目覚ましく、異国で生まれ育ったユダヤ人たち(ギリシア語を話すユダヤ人。原文はヘレニスト。ギリシアの生活様式を持つ人々を指す言葉で、厳密にはユダヤ人とは限りません)も教会に加えられていました。彼らとヘブライ語を話す言わば生粋のユダヤ人クリスチャンとの間に、日々の分配のことで問題が起こりました。言葉や文化、出身地、あるいは縁故などによって扱いに差が出てしまうという人間社会のどこにでも見られる現実が初代の教会にもあったのです。使徒たちはこの問題を解決するために聖霊と知恵に満ちた評判の良い7人を選出することにしました。彼らの名前から考えると、選ばれたのはギリシア語を話すユダヤ人のようです。その名はステファノ(王冠)、フィリポ(馬好き)、プロコロ(前列で踊る)、ニカノル(勝利)、ティモン(敬う者)、パルメナ(不明)、ニコラオ(民の征服者)といった意味を持つギリシア語に由来するものばかりです。

 7人は使徒たちから按手(手を置いて祈る、任命と祝福の祈り。申命記 34:9 参照)を受けて、日々の分配に関する奉仕を担当することになったのです。こうして教会は愛の業を実践することでさらなる成長を続けました。まさに彼らは御言葉を実践したのです。それは使徒の重鎮ヤコブが手紙に記した教えに適う素晴らしいものでした。「御言葉を行う人になりなさい。自分を欺いて、聞くだけで終わる者になってはいけません。」ヤコブ 1:22-27 参照。