今週のメッセージ(2022/5/15)

「サウロ、迫害者から証人へ」使徒9:1-22

 

 今日の箇所には日本語の定型句としても浸透している「目からうろこ」という言い方の由来となった出来事が記されています。この言葉について、辞書では「何かがきっかけになって、急に物事の実態などがよく見え、理解できるようになることのたとえ」であると説明されています。

 初代教会に対する迫害の急先鋒であったサウロは、ダマスコへ向かう途中で復活の主イエスと出会い、クリスチャンになりました。クリスチャンを脅迫し、殺害しようと意気込んでいた彼の人生がまさに 180 度変えられたのです。

 なお、4 節と 17 節に「サウル」という表記があります。これはサウロという名前を呼びかける時に使う呼格形のギリシア語をそのまま音訳したものです。新共同訳聖書では、使徒パウロのヘブライ名であるサウロの呼格形だけ「サウル」と訳されましたが、サウロのことです。ちなみにサウロとはイスラエル初代の王様であるサウルと同名です。

 強い光に照らされて目が見えなくなったサウロに対し、復活の主イエスはアナニアという弟子を遣わされました。クリスチャンに対する酷い迫害を加えていたサウロの噂を聞いていたアナニアは困惑しながらも、主の命令に従ってサウロのもとを訪ねたのです。彼はサウロの対する主のご計画を語り伝え、サウロのために祈りました。すると目からうろこのようなものが落ち、視力を取り戻した彼は洗礼を受け、「イエスこそ神の子である」と証言し、伝道する者となったのです。