今週のメッセージ(2022/5/29)

「教会発展の経緯@いやしと生き返り」使徒9:31-43

 

 使徒 9:31 は伝統的にサウロの改心とタルソスへ向かうまでの段落の結びと見なされてきました。ですが、この節はむしろ 32 節以降から 12 章、さらにその後の世界宣教へ至るまでの序文や小見出しのような役割を果たしていると思われます。福音が主イエスの御言葉の通りにエルサレムからガリラヤ、サマリアへと広がり、さらに世界宣教に至るまで発展する姿というものは、まさに 9:32 以降に描かれているからです。

 教会の基礎が固まり、発展する経緯として最初に記されているのがアイネアとタビタという二人の人物のいやしと生き返りという奇跡的な主イエスの御業でした。そのために用いられた人物としてペトロが再び表舞台に登場しています。

 彼はパレスチナの全域を巡回しながら伝道を続けていました。エルサレムから西北西へ約 40kmの町リダではアイネアをいやし、さらにその先にある港町ヤッファでは死んだドルカスを生き返らせるという御業のために主はペトロを用いたのです。

 福音書の中で主イエスは中風の人ばかりでなく、多くの病人をいやし、死んだ者を生き返らせました。そのような偉大な御業が、使徒たちばかりでなく信じる人々の手を通して引き続き行われているのです。こうした力強い主の御業はいつの時代においても必要とされてきましたが、現代ではこれまで以上に求められています。まことの神が今も生きて働いておられること、人々を様々な重荷から解放し、罪と死の闇から命と光の中へ、人生を守り祝福へと導いてくださるということは誰もが飢え渇き求めているものだからです。