今週のメッセージ(2022/6/5)

「教会発展の経緯A異邦人伝道と聖霊」使徒10章

 

 カイサリアは紀元前 10 年頃にヘロデ大王がカエサル・アウグストゥスの名を冠して造ったローマ風の港湾都市です。そこには巨大な円形劇場や上下水道まで整備されていました。その街に常駐していた百人隊長コルネリウスは信仰心に篤い人物でした。神は異邦人伝道の足掛かりとして彼を選び、不思議な方法で使徒ペトロとの出会いへと導かれたのです。

 コルネリウスは天使の指示に従い、ヤッファに滞在中のペトロを招くようにと部下を派遣しました。それに伴って、主はペトロにも幻をもって語りかけておられます。天から吊り下げられた入れ物の中に様々な動物が入っており、これを食べよとペトロに命じたのです。しかしそれは先祖代々、ユダヤ人たちが決して口にすることのなかった不浄とされる動物たちでした。ペトロばかりでなく、ユダヤ人であれば誰もがレビ 11 章に記されている食物規定を守りながら生きていましたから、ペトロが躊躇したのも無理はありません。けれども、「神が清めた物を、清くないなどと言ってはならない」という主の言葉によって、ペトロはコルネリウスが遣わした人々とその言葉に神の導きを感じ、カイサリアへと向かったのです。そしてコルネリウスの説明を聞いたペトロは神の導きと神は人を分け隔てなさらないお方であるとの御旨を確信し、異邦人(おそらくローマ人)であるコルネリウスたちに福音を語ったのです。すると人々は聖霊に満たされ、異言で語り始めました。その出来事を見てペトロと同行したクリスチャンのユダヤ人たちは大変驚きましたが、イエス・キリストを信じる者となったコルネリウスたちに洗礼が授けられました。こうしてユダヤ人だけに向けられていた使徒たちによる福音宣教は異邦人へと拡大していくことになりました。私たち日本人はその恵みを今も受け続けているのです。