今週のメッセージ(2022/6/12)

「教会発展の経緯B宣教報告の恵み」使徒 11:1-18

 

 カイサリアに住む異邦人たちが福音を信じ、聖霊を受けたというニュースは100qほど離れたエルサレムにまで伝わりました。そこで割礼を重んじるユダヤ人のクリスチャンたちが使徒ペトロを非難した理由は、ペトロが異邦人たちと食事を共にしたということでした。

 モーセの律法に端を発する連綿と受け継がれて来た民族の歴史的事情から、ユダヤ人たちは異邦人との交際を避けてきたのです。けれども使徒ペトロがその慣習を越えてコルネリウスに福音を語ったことに受け入れがたい思いを抱く人が少なからず存在していたのが初代の教会でした。

 けれども幻のうちに語りかけられた主の言葉と聖霊の導きによりコルネリウスとの出会いを経験したペトロは、神様の偉大なご計画と御心へと心が開かれて行きました。そして異邦人たちに聖霊が豊かに注がれて、彼らが異言を語り、神を賛美している姿を目の当たりにした時、ペトロはすぐさま彼らに洗礼を授けたのでした。

 ペトロから直接その報告を聞いた時、エルサレムにいた使徒たちをはじめとする人々は「神は異邦人をも悔い改めさせ、命をあたえてくださったのだ」と言ってしばしの沈黙を破り、主を賛美したのです。福音がエルサレムから全世界へと広がっていく。それは私たちには当たり前と思われることかも知れませんが、初代教会の人々、当時のユダヤ人クリスチャンにとっては神の御心とご計画に対する理解の驚くべき刷新でありました。こうして教会は一民族のものから全世界の教会へと大きく進展して行くことになるのです。