今週のメッセージ(2022/6/19)

「クリスチャン」使徒 11:19-30

 

  7 章に記されているステファノの殉教から始まった大迫害のために、エルサレム近郊に住んでいた信徒たちはユダヤを離れて行きました。その一部の人たちがフェニキア、キプロス、アンティオキアへと移住したのです。彼らはそれぞれの地域でユダヤ人に伝道していましたが、アンティオキアへ向かった人々がギリシア語を話す異邦人にも福音を語り出しました。すると多くの人々が信じる者となったのです。あの使徒ペトロでさえ 10 章のような特別な啓示と体験をしなければ異邦人に福音を語ろうとは思っていなかったのですが、キプロス島やキレネ(アフリカ)出身の人々にとって、異邦人にもイエス様を証しすることには生粋のユダヤ育ちのユダヤ人である使徒たちよりもずっと柔軟な考えをもっていたのでしょう。彼らの伝道を主が助けてくださって、多くの人々がイエス様を信じる者となりました。

 その情報がエルサレムの教会に届く前、すでに使徒団はペトロから重要な報告を受けていました。カイサリアに住むローマ軍の百人隊長コルネリウスと親類縁者、友人たちが主イエスを信じ、聖霊のバプテスマを受け、洗礼が授けられたという報告を受けて異邦人に対する神の御心を悟っていたのです。そこで使徒団はキプロス島出身のバルナバ(4:36-37)をアンティオキアへ派遣することにしました。バルナバは主イエスを信じるようになった人々を励ますと共に、タルソスまで出向いてサウロ(後の使徒パウロ)を探し出し、アンティオキアでの奉仕を共にすることにしました。このアンティオキアにおいて「キリスト者/キリスト信者/クリスチャン」という言葉が生まれたのです。