今週のメッセージ(2022/11/6)

「エフェソでの騒動」使徒19:21−40

 

  パウロがエフェソでの伝道を終えようとした頃、大変な騒動が勃発しました。アルテミスという偶像の神殿への参拝客を相手に銀で作った神殿の模型を売ることで多額の利益を得ていた職人たちの間で、パウロをはじめとするクリスチャンたちへの迫害が起こったのです。その熱狂はすさまじく、古代有数の大劇場へと人々はなだれ込み、アルテミスを称える叫び声が2時間以上も続いたのでした。

 ところが、実際のところ人々は何のために集まったのかさえ分かっておらず、誰もがあれやこれやとわめき立てるばかりの混乱状態でした。人々は自分たちの町を象徴するアルテミスの名を叫ぶばかりで、首謀者であるデメトリオが訴えようとしたクリスチャンに対する非難のための集まりであることも分からなくなっていたのです。

 この騒動はローマの属州であるエフェソの町を治める書記官にとっては自分たちの統治能力と責任を問われる重大な問題でした。そこで彼は民衆に呼びかけ、冷静さを取り戻し、デメトリオによるクリスチャンへの非難は根も葉もないこと、むしろ暴動罪に問われかねないことだと説得し、集会を解散させたのです。パウロにとってはエフェソを離れる決心をした直後の大きな騒動でしたが、それでもエフェソにある教会は信仰に堅く立ち、前進を続けたのでした。