今週のメッセージ(2022/12/11)

「御心を悟って欲しい」使徒 22:1-21

 

 千人隊長の許しを得たパウロは階段の上に立つと、民衆に向かって語り出しました。自分がユダヤ人であり、タルソス出身ではあるけれどもエルサレムで育ち、ガマリエルの門下生として律法について厳格な教育を受け、熱心に神に仕えている者であるという自己紹介を始めたのです。

 その熱心さは大祭司や長老会にも認められ、初代教会のクリスチャンたちを逮捕、連行し、処刑するほどのものでした。その働きはダマスコという外国の町にまで及び、クリスチャンを逮捕する書状さえも受け取っていたのです。

 けれどもパウロはダマスコの近くで強い光に照らされ、復活のイエス・キリストと出会う経験をします。そのために視力を失い、手を引いてもらわなければならなかったこと、アナニアという弟子の奉仕を通して視力が回復したことなどを語りました。その後、エルサレムへ戻った彼は神殿での祈りのうちに主イエスと再会し、新しい使命を与えられたのでした。つまり、この時のパウロの弁明は単なる自己弁護ではなかったのです。彼は自分自身が主の御心を知らされて、主に従う者となったように、同胞であるイスラエルの民にも彼らに対する主の御心を悟り、主に従う者となって欲しいとの願いがあふれ出たものでした。