今週のメッセージ(2023/2/12)

「望みも消えゆくまでに」使徒 27 章〜28:14

 

 皇帝への上訴を求めたパウロはカイサリアからローマへと護送されることになりました。けれども、その船旅は困難を極め、暴風に進路を阻まれた船は漂流を続け、船は損壊し、船荷を失いましたが、乗り込んだすべての人の命は守られました。同船していた著者ルカはパウロや自分たちが陸路を移動した場合の行程にはあまり関心がなく、おおまかな記録しか残していません。しかし船旅についてはこれまでも細かく記録を取っています(使徒 16:11-12,20:13-15 参照)。

 使徒 27 章は古代における航海の様子を描いた絶好の資料となっており、同船者ならではのリアリティーにあふれています。季節はすでに秋となっており、地中海を横断する航海には危険すぎる状況でした。パウロは中間地点である「良い港」に留まるよう進言しましたが、百人隊長は船長たちの意見を信頼し、多数決によってフェリクス港へ行くことになったのです。

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