今週のメッセージ(2023/2/26)

「福音がはじまる」マルコ 1:1-15

 

  本日の礼拝からマルコによる福音書を読んでまいります。マルコは4つの福音書の中で最も短いものです。マタイやルカはマルコを参照しながらそれぞれの福音書を著したのではないかと考える学者もいます。そうであればマルコこそ最初の福音書ということです。本書の特徴として、物語が次々に展開し、主イエスが多くの病人を癒し、悪霊を追い出して行く姿と、主イエスが語られた教えが簡潔に記されています。

 その福音の初めとして、マルコは旧約の預言者イザヤの名を挙げ、出エジプト 23:20、マラキ 3:1、イザヤ 40:3 の御言葉を織り交ぜながら引用しました。つまり、厳密にはイザヤひとりの預言ではありませんでした。いわば旧約聖書の全体が指し示しているメシアのための先遣者について書いてある「そのとおり」(マルコ 1:3)に洗礼者ヨハネが現れ、来るべきメシアであるイエス・キリストを証しする姿を記したのです。

 そのヨハネから洗礼を受け、四十日に及ぶ荒れ野での誘惑を経て、いよいよ主イエスご自身が人々に直接語りかけられました。罪を贖い、罪を赦し、悩み、苦しみ、病んでいる人々をお助けになる神の子イエス・キリストの福音がはじまるのです。