今週のメッセージ(2023/6/18)

「ヨハネ死すとも」マルコ 6:14-29

 

  各地で力強く御言葉を語り、悪霊を追い出し、多くの病人を癒された主イエスの名声は、ついにヘロデ王の耳にまで入ることとなりました。王の側近たちの間でも主イエスの噂で持ちきりになるほどの目まぐるしい働きが展開されていたということです。けれども主イエスに関する噂を耳にしたヘロデの心中は穏やかではありませんでした。かつて自らの命令によって首をはねた洗礼者ヨハネが生き返ったのだと彼は思ったのです。

 ヘロデにとっては神に逆らう罪深い行動をヨハネにしたことの責任を問われるに違いないというまことに恐ろしいものであったはずです。王である自分に逆らう者など存在しない領地において、自分の権威や力を圧倒的に超えてしまう神の僕の存在は恐怖でしかなかったことでしょう。マルコ福音書はヨハネが殺害されるに至った経緯をマタイやルカよりも詳しく書き残しています。それは主イエスが使徒たちを宣教に遣わした直後の場面であり、主のもとに返ってくるまでの間隙を埋めるものでありました。