今週のメッセージ(2023/10/29)

「願いを深めた人」マルコ 10:46-52

 

 エリコという町は古代オリエントにおいて最も古い町の一つとされ、旧約聖書では「なつめやしの町」とも呼ばれていました(申命記 34:3,士師記 1:16 参照)。エリコからエルサレムまでは約 22km。上り坂が続きます。この町で物乞いをしていた盲人の癒しについて、マタイ 20:29-34 では【二人の盲人】となっている等、若干の異同があります。けれども、マルコ福音書にはその盲人が「ティマイの子、バルティマイ」という名前であると明記されています。

 イエスのことを聞いた彼が必死になって憐れみを求め叫び続けた姿は印象的です。叱られても黙らず、ますます叫び続けたのでした。

 この時、彼が叫んだ「憐れんでください」という意味のギリシア語「エレイソン」は、そのままラテン語を話していたローマの教会(西へ 2000km)だけでなく、コプト語を話すエジプトの教会においても「主よ、憐れみたまえ」という意味の「キリエ・エレイソン」として広く受け継がれる祈りの言葉になったのです。