今週のメッセージ(2023/12/3)

「心を見抜く主」マルコ 12:13-17

 

 「カイザルの物はカイザルに、神の物は神に」という言葉は、聖書を批判的に研究する学者たちの間でも、主イエスのオリジナルな発言に相違ないものとして受け止められている有名な聖句です。

 11 章においてエルサレムへと凱旋された主は、民衆の喝采を受け、また神殿から商人たちを追い出したことで祭司長や為政者たちからいよいよ強い敵意を持たれることになり、その言動の根拠を問われ続けることになりました。今日の箇所もその1つではありますが、それは逮捕の機会を狙ったものであることが 12:13 に記されています。

 ファリサイ派とヘロデ派は、本来であれば犬猿の仲でありましたが、主イエスを共通の敵として共同戦線を張ることになった人々です【マルコ 3:6、8:15 参照】。この2つの派閥は、イスラエルの民がローマ帝国へ納税することが律法に適っているかどうか、という問について真逆の見解に立つ人々でした。主イエスが納税を否定すればファリサイ派に与することになります。可とすればヘロデ派に賛成することになります。主イエスが可否いずれの答えを出したとしても、その言葉じりをとらえてイエスを陥れることが出来るはずだと彼らは考え、結託したのでした。