今週のメッセージ(2024/3/10)

「ユダヤ人の王、慶べよ」マルコ 15:16‐20

 

 本日の説教題は明治 32 年【1902 年】に発行されたニコライ訳を元にしました。捕らえられたイエス・キリストに対し、ローマの兵士たちは敬礼を用いて侮辱したのです。かつて日本は 1945 年から 1952 年までの 7 年間、連合国軍最高司令官総司令部の占領下に置かれていましたが、主イエスの時代のユダヤはローマの従属国となっていました。宗主国の総督ピラト直属の部隊が一丸となって【属国の王】という罪状で処刑されようとしている主イエスを愚弄する様子をマルコは描いています。

 この福音書において、主イエスは大祭司には 14:62、ピラトには 15:2 に記された返答をなさっただけで、それ以外は常に沈黙を貫き通されました。そのお姿はイザヤが預言した通りのものであり、兵士たちの前でも変わらなかったのです。「苦役を課せられて、かがみ込み、彼は口を開かなかった。屠り場に引かれる小羊のように、毛を切る者の前に物を言わない羊のように、彼は口を開かなかった。」(イザヤ 53:7)