今週のメッセージ(2024/4/14)

「実現した福音」ルカ 1:1-4

 

 ルカによる福音書と使徒言行録は上下巻の関係にあります。けれども著者としてルカの名が記されてはおりません。彼は医者であり【コロサイ 4:14】、使徒パウロと共に各地を巡り、活動しました【使徒 16:10-18,20 章〜21:18、27 章〜28:16】。しかし、ルカ【光を意味するラテン語 Lux ルクスに由来】自身に関する詳しいことは何も分かっていません。ユダヤ人なのか異邦人なのかも定かではありません。けれども、彼の記したギリシア語の文章には紀元前にギリシア語に翻訳された旧約聖書を模した擬古的な特徴がみられるなど、高い文章力を持つ人物であることは間違いないようです。

 また、上下巻どちらの序文にも宛名として記されているテオフィロ【神の友、神に愛される等の意】にルカはクラティストス【最高位の敬称:他では閣下と訳される。使徒 23:26】を付けて呼びかけていますが、彼についても何も情報がありません。しかし、ルカはイエス・キリストの福音について詳しく調べて書き残しました。聖霊はルカの執筆を導き、イエス・キリストの福音を「わたしたちの間で実現した事柄」として描き出してくださったのです。ですから、ルカがテオフィロに強調しているように、私たち自身もこの教えが確実なものであることをよく理解し、この福音により頼んで歩んでまいりましょう。