今週のメッセージ(10/18)

 秋の夜長

 秋の日は釣瓶落し"と言われます。ほんとうに日の暮れるのが早くなってきました。それだけ夜が長くなってきたわけですが、秋の夜長は読書で、というのもはやらなくなって久しい昨今です。

 現代人の活字離れも指摘されてから久しいのですが、しかし書店に入ってみると結構お客さんがいます。なんだ、現代人も結構読書好きじゃあないか、と思ったりもしますが、しかし、並んでいる本をみると、グラビア、イラスト入り、マンガ、そして活字も大きくしたり、余白を多くしたり、文章もながながしくしないで小刻みに区切ったり等々、読者が読みやすいように涙ぐましい工夫が施されています。

 そこへいくと聖書は部厚く、イラストもなく、小さな活字がビッシリ。現代人の受けが悪いのも致し方ないかと思っていたら、最近、「小説『聖書』」が静かなブームを呼んでいるとのこと。そこで購入してみると、なるほどと思わされました。著者であるウォルター・ワンゲリンは、訳者があとがきで記しているように、膨大な聖書を連綿とつらなる一続きの物語として書いています。そのため今まで断片的だった知識につながりができて、聖書の全体像がつかめるようになるのです。そしてそのような俯瞰的な視点をもつと、聖書はとたんに読みやすくなる、といった特徴を「小説『聖書』」は備えているのです。

 秋の夜長、是非一度この「小説『聖書』」を読まれてはいかが。そしてさらに「聖書」そのものへと進んでいければそれはあなたにとってすばらしい祝福となるはずです。