週のメッセージ(11/22)

 

X'masの"X"は?

 

 今年も街のお店の飾り付けに、またさまざまの宣伝広告に" X'mas"の文字を見かける時節となりました。毎年のことですが、わたしはこの"X"がいわゆる数学の方程式で使われる未知数の"X"に見えてしまうのです。

そもそも"X'mas"の"X"は何をあらわしているのでしょう。

 新約聖書が書かれた時に用いられた言語はギリシャ語でした。このギリシャ語で「キリスト」と書く時、その頭文字が"X"(きィ)なのです。そこで「キリスト」の部分を省略して"X'"と書くようになり、そのうち省略記号の"'"(アポストロフィ)も省略されるようになったと思われます。

 元来、クリスマスはChristmas、即ちChrist(キリスト)のMass(祭り)という意味です。しかし肝心要の「キリスト」が省略され、そしていつしか未知数Xとなってしまっているわけです。従がって、"X'mas"はまさに主役であるキリスト不在のクリスマスの象徴のように見えてしまうというわけです。

 新約聖書の中のルカ福音書が記している最初のクリスマスの様子も、その意味で実に象徴的です。この地上にお生まれになった神の御子キリストは、布にくるまれ、飼い葉桶の中に寝かされました。それは、「宿屋には彼らの泊まる場所がなかったからである」(2:7)と説明されています。

 来るべき今年のクリスマスがあなたにとってキリストが共におられるクリスマスとなることを心から祈ってやみません。