今週のメッセージ(12/27)
クリスマスは終わった?
毎年の巷の風景なのですが、25日を過ぎた途端、街からは見事にクリスマスの気配は消え失せ、年末そして新年への雰囲気と化します。クリスマスの飾り付けを残して置こうものなら、片付けが遅れていると思われるのを恐れるかのごとくに...。
しかし本家本元のキリスト教会にあっては、クリスマス直後の日曜日は「降誕後第一主日」、その次は「降誕後第二主日」と呼ばれ、伝統的な教派ではクリスマス・リ−ス等はそのまま飾って置きます。つまり、新年もクリスマスの光の中で迎えるわけです。
ところで、クリスマスに親しまれてきた文学作品と言えば、O・ヘンリーの『賢者の贈物』、C・ディケンズの『クリスマス・カロル』、トルストイの『愛のあるところには神がある』(『靴屋のマルティン』の原作)等が挙げられます。いずれも自らの生き方を反省させられる性格をもった作品ばかりです。
そこで、25日を過ぎたらクリスマスのことなどすっかり忘れてしまうというのではもったいない感じがします。クリスマスの祝いを通して、あらためて問い直しを迫られた私たちの生を見つめ直しながら、新年に備え、かつ新年を迎えて行くことができれば、それは実にすばらしいことです。
残念なことですが、日本のクリスマスは年末のあわただしさと重なって、一年の中でも特に忙しく過ごさざるを得ないという現実があります。しかし意識して、クリスマスの光の中で新年に備えたいものです。