今週のメッセージ(1/31)

 

千代大海の快挙に思う

 

 先週は大相撲の千代大海が日本中の話題をさらった感じでした。

 優勝最有力候補の横綱若乃花と、星一つの差で追っていた関脇千代大海が、結びの一番で激突。千代大海が勝って決定戦へともつれ込み、きわどい相撲で取り直しとなった後、なんと関脇が見事に横綱を下して逆転の初優勝。同時に彼は大関昇進を決めたのでした。

 興味深かったのは、九重親方(元横綱千代の富士)が語った愛弟子千代大海入門の際のエピソード。

 彼が九重部屋の門をたたいた時はまだ16歳の少年。頭は茶髪のリーゼントで剃り込み入り。(当時の彼は故郷大分のその辺では知らない人はいないほどのヤンキーだった由)親方は内心、とんでもないのが来たと思ったそうです。入門したいなら頭を刈ってこいというと、直ぐに坊主に丸めて来た、なんで相撲取りになりたいのかと尋ねると、親孝行がしたいとの返事が返ってきたといいます。

 親方はその時、素直なところがあるし、辛抱も出来そうだな、と見て入門を許可したそうです。この度の優勝と大関昇進快挙は、その時の親方の目が確かだったことを立証したといえます。

 このエピソードは、どの道であれ、人間が成長できるための条件を見事に示してくれています。その一つは、聞いて従がう素直さ、もう一つは、しっかりした動機または目的、です。

 聖書も、聞くことの大切さを教え(新約聖書・ロマ10:17)、また自分だけでなく、隣人を喜ばせる生き方を勧めています(同15:1,2)。