今週のメッセージ(3/21)

 

一生を生き切る

 

 東工大の生命理工学部教授、本川達雄氏の著書「ゾウの時間 ネズミの時間」は実に示唆に富んでいて面白い。

 第1章に動物のサイズと時間について書かれてあるのだが、息を1回吸って吐く間に、心臓は4回打つという。そしてそれは哺乳類なら、体のサイズによらず、みなそうだという。

 さらに、寿命を心臓の鼓動時間で割ると、なんと哺乳類ではどの動物も、一生の間の心臓の鼓動回数は20億回だそうである。

 また、寿命を呼吸時間で割ると、一生の間に5億回呼吸する計算となり、これも哺乳類なら、体のサイズによらず、ほぼ同じ値だというのである。

 以上のことを述べた上で著者は、ネズミは数年しか生きないが、ゾウは100年近い寿命を持つ。しかし、もし心臓の鼓動を時計として考えるならば、ゾウもネズミも全く同じ長さだけ生きて死ぬことになる。従って、物理的な寿命が短くても、一生を生き切った感覚は案外ゾウもネズミも変わらないのではないかと推論している。

 とにかく哺乳類ならどの動物でも一生の間の心臓鼓動回数が20億回と同じだと知って驚いた。と同時に、創造主の定めといったものを強く感じた。

 人間も哺乳動物である以上、この枠の中にあるわけだが、人生の長さは人によって異なる。しかし、神の御旨に従がって生きる時、生き切ることにおいては同じなのかもしれない。ひとはパンだけで生きるものではなく、神の言によって生きる、との聖書の言葉が強く心に響くのを覚えた。