今週のメッセージ(4/11)
毛虫から蝶になる日を夢見て
毎年イースター(復活祭)がめぐって来るたびに思い出されるのは、玉木愛子という人のことです。この方はまだ17歳の女学生だった頃ハンセン氏病であることがわかり、瀬戸内海に浮かぶ島、長島の愛生園という施設で生涯を送られました。両手両足を奪われ、視力も失われていきました。ご自分でも、"坐れば達磨、寝ればミイラ"というほどの姿になってしまいました。そして1969年、81歳で天に召されていかれたのです。俳句に親しまれた方で多くの句を遺されました。
多分発病が判明した女学生の頃詠まれたと思われるものに次のような句があります。
年豆を夜空に投げて泣く娘(こ)かな
神さまがおられるなら、なぜわたしをこのような病気にしたのですか、と神がおられる天に向って泣きながら豆を投げつける自分を詠んだものと思われます。
ずーっと後に次のような句も読まれました。
毛虫匍へり蝶となる日を夢見つつ
今の自分を毛虫になぞらえ、来るべき日に蝶として甦る望みを詠まれたものです。
この二つの句の間に何があったのでしょう。彼女はキリストと出会い、救いを体験し、自らの復活の希望を持つにいたったのです。
「わたしは、よみがえりです。いのちです。わたしを信じる者は、死んでも生きるのです。」 (新約聖書・ヨハネ福音書11章25節)