今週のメッセージ(4/18)

 

四つの福音書が筆をそろえて伝えるキリストの復活

 

 新約聖書の最初にはマタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの四つの福音書が収められています。そしてそれぞれが筆を揃えて、しかしそれぞれの特徴を以ってイエス・キリストの復活の出来事を伝えています。

 一番早く書かれたといわれるマルコが伝える復活の記事は、尻切れとんぼの感じです。思いがけない出来事に遭遇し、恐怖にも似た戸惑いが伝わってきます。

 マタイは弟子たちが復活のキリストと出会った場所に関し、ガリラヤが強調されています。読者の対象にユダヤ人を意識して書かれたとされていること、そしてガリラヤが「異邦人のガリラヤ」と呼ばれていたことを考え合わせると、マタイ独特のメッセージが感じられます。ユダヤ人たちは異邦人を汚れた民として軽蔑していましたから。

 それに対しルカは出会いの場所としてエルサレムが選ばれています。この書の続編であるあとの使徒行伝において、キリストの福音の広がりのスタートがエルサレムであるとされています。そのことと深く関連してエルサレムが強調されているのだと思われます。

 ヨハネは、3回にも渡る出会いを伝えます。場所的にはエルサレムそしてガリラヤの両方を記しています。3回目などは、一旦その福音書を書き終えてからさらに付け足した感じになっています。そこにもまたヨハネ特有のメッセージがあるわけです。

 そんなわけで読み比べていくと興味は尽きません。是非あなたも最寄りの教会に出席され、お話しを聞かれながら読まれることをお勧めします。