今週のメッセージ(6/13)

 

生を根源的に問い直す時

 

 一昨日、厚生省から喜べないデータが発表されました。それは増えたことにおいても、減ったことにおいても過去最悪である昨年度の数字です。

 先ず増えたものの過去最悪の一つは自殺者の数。初めて3万人を超えたそうです。しかも50代の男性の自殺が急増したとのこと。原因として景気の悪化が考えられています。

 増えたことの最悪のデータのもう一つは離婚件数。前年を約2万組も上回ったそうです。しかも同居期間が20年以上の夫婦の離婚が約4万組で、前年比13.1%増とのことです。

 反対に減った方の最低のデータとしては、一人の女性が一生のうちに産む子どもの数を表わす合計特殊出生率と呼ばれるもので1.38。過去最低だった昨年の1.39をさらに下けです。この数字が2.08を割ると人口の自然増はないといわれているそうです。ますます少子化ならびに高齢化に拍車がかかっていることになります。

 一体、この国の将来はどうなるのでしょうか。

 前々回、目下話題の映画『鉄道員(ぽっぽや)』で主演した高倉健さんが、ある懇談会で語った言葉を紹介しました。それは行為、行動そのものよりもその意味とか目的というものが大事な時が来ているのでは...というものでした。

 健さんの言葉に待つまでもなく、わたしたちの生そのものを根源から問い直す必要に迫られている時です。結婚、出生、生、死はまさにわたしたちの生の根本問題そのものなのですから。