今週のメッセージ 99.09.12

老いることをプラスに

 

 今年も「敬老の日」が近づいてきました。現在わが国において100歳以上のご高齢の方がなんと1万1千人以上おられるとのこと。そして最高齢者は111歳。まことに驚きです。

 ところで「老人力」とは、昨年流行語大賞を受賞した、赤瀬川原平とその仲間達の造語です。聖書の中に、「力は若者の栄光。白髪は老人の尊厳」(旧約聖書・箴言20:29)という言葉がありますが、「力」のイメージは若者とは結びついても、老人とはなかなか結びつきにくいものです。しかしそれを結びつけたところにこの造語の妙があるのでしょう。さらに言えば、とかく「老いる」ということにはマイナスイメージがつきまといがちのところを、プラスイメージを付加したところに、この造語のすばらしい貢献があるように思います。

 話しは変わりますが、カトリック作家の曽野綾子さんが『戒老録』という本を出しています。その中に、「同じ年頃とつき合うことが、老後を充実させる原動力である」という勧めがあります。若い人たちは忙しい。老人にとって、本当に相手になれる相手は老人しかいない、というのがその理由です。

 また、「宗教について、心と時間を費やす」ことの勧めもあります。若いうちは学問や仕事にかまけて、そのようなことを疎かにしてしまう。しかし、時間的なゆとりが持てるようになった老人は努めて...、というわけです。要するに、神さまならびに人とのお付き合いということになります。

 そこで、是非ご近所の教会に集われることをお勧めします。それは、神さまとも、また人とも良き交わりが持てる一挙両得の所だからです。

 

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